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「自殺」や「自殺願望(希死念慮)」の項目なら、「うつ病」のページに載せればいいのでは? と考える人が多いと思います。
しかし、「自殺」や「自殺願望(希死念慮)」は、うつ病の症状なのではなくて、統合失調症の重要な症状の1つなのです。
「蒸発願望」や「ホームシック」も、同様に考えていいように思います。
「蒸発願望」の別の表現形としては、「遁走」というものもあります。
「ホームシック」は、日本語では”郷愁”ですが、ここでいうのは「いなくなりたい」 「逃げだしたい」という気持ちの現われとしてのものです。

でも、どうしてなのか?

DSM−W−TR(アメリカ精神医学会の分類)に、「自殺」 は 「うつ病 (気分障害・感情障害)」の重要な症状の1つとされているではないか! と考える人が多いかもしれません。WHO(世界保健機構)の国際分類(ICD-10)だってあります。
そこが、このような「先走った診断基準」の困ったところなのです。
病気の本質を追究する努力をかさねる前に、病気を細かく分類する「基準」が先に作られてしまいました。その結果、 「"常識的"な判断」 で 「"自殺"を考えるのは"うつ病"の証拠」、 と決めつけられてしまったのでしょう。 そのうえ、このように病気をあまりにも細かく分類・分断してしまったおかげで、病気の本質がますます見えにくくなっています。
どうも世の研究者たちは、手っ取り早く 「国際分類」 の一分野の 「専門家」 になることを選んでしまうフシがあります。そうなると、違う診断基準のもとにおかれた「他のこころの病気は、専門外」という人が多くなってきます。そしてふつう、こころの病気のうちの一分野だけを集中して研究し、その分野の論文だけを集中して数多く書いている人は、その病気の「権威」とみなされることになります。

それはともかくとして、「自殺」は統合失調症の重要な症状の1つなのです。
もっと正確にいうと「消えてなくなりたい気持ち」 すなわち 「自殺願望」や「希死念慮」、そして、 「逃げ出したい気持ち」 すなわち 「蒸発願望」 は、言いかえると 「消滅願望」 「逃走願望」(わたしの造語ですが...) とも表現できますが、これは統合失調症の基本症状の1つなのです。

わたしが示した「うつ病と統合失調症の比較の表」を見てみてください。

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